63) 痛いところ ≠ 悪いところ

image62歳の女性の症例

初回来院時の主症状は右膝裏の痛み。

数年前には左膝に水がたまり、痛かった時期があったと言う。

階段を下りる時に非常に痛みがあり、歩行にも支障がある。

痛みが強く膝関節の完全伸展は出来ず、屈曲も30度程しか出来ない。

膝関節まわりの筋肉やを押圧しても痛みは無く、整形外科テスト法では、内側の半月板に僅かに陽性反応。

姿勢分析・棘上靭帯押圧テスト等を行い、骨格の歪みを見極め施術。

右膝関節に超音波治療器を施し、再検査。

完全伸展では痛みは無く、屈曲も90度まで自力で可能になられた。

歩行もしやすくなったようだ。

半月板の損傷の疑いがあるので、整形外科でMRIを撮られるようにアドバイス。

ただ術前の姿勢分析で気になる事が一点。

痛いはずの右足重心で立たれている。

本来、痛みから逃れる為に左重心になるのなら理解できる。

一応、この不自然さを患者さまにお伝えして初回の施術を終えた


2回目の来院時は10日後、整形外科でMRIを撮られ、結果を持っての来院。

両膝の内側の半月板に僅かな傷が見つかったが、歩行が困難な程の痛みは出ないはずだと言われたようだ。

ではこの痛みの原因はと聞くと答えてはくれなかったそうだ。

2回目の来院時の症状は臀部からふくらはぎに掛けて強い張り感と痛み。

これを聞き前回の不自然な姿勢の原因が理解でした。

この患者さまの膝裏の痛みの原因は下部腰椎での神経圧迫。

坐骨神経痛だ!

前回、膝裏のみの局所的な痛みだったので、坐骨神経痛を疑わなかった。

椎間板で問題がある場合、患側側に重心を掛ける事がある。

2回目の施術はあえて膝は触らずに、腰部の施術に変更。

術後はまだ痛みがあるものの、来た時の痛みとは全く違うと言う。

寝ていても痛かったのが、寝ている時は全く痛みがなくなったようだ。

もう一度、整形外科に行っていただき、腰部のレントゲンやMRIを撮るようにアドバイスをして、2回目の施術を終えた


このように「痛いところ = 悪いところ」とは限らない。

肩こりや頭痛など、ふくらはぎの緊張が原因だったりすることもある。

僕らの仕事は症状にこだわって診てはいけない。

診るのは患者さま!

慢性的な症状など、生活習慣が関わっている事がお多い。

根本的な原因を取り去る為には、生活習慣の改善も必要。

症状にとらわれず、患者さまの全てを診なければならない。

理想であり、非常に難しいことではあるが…